管理委託契約書とは?記載内容や確認すべきポイントを解説
賃貸物件の管理を管理会社へ委託する場合、オーナー様と管理会社の間で管理委託契約を結びます。
その際に取り交わす書面が「管理委託契約書」です。
管理委託契約書には、委託する業務の範囲や管理委託料、契約期間、解約条件など、賃貸物件の管理に関するさまざまな事項が記載されています。
この記事では、管理委託契約書に記載される主な内容や、契約前に確認しておきたいポイントについて解説します。
管理委託契約書とは
管理委託契約書とは、賃貸物件のオーナー様が管理会社へ物件の管理業務を委託する際に、契約内容を明確にするために取り交わす書面です。
管理委託契約では、入居者対応や家賃管理、建物・設備の維持管理など、賃貸経営に関わるさまざまな業務を管理会社へ依頼できます。
ただし、委託できる業務の範囲や管理委託料、費用負担などは、管理会社や契約内容によって異なります。
契約を結ぶ際は、管理委託契約書の内容を確認し、どこまで管理会社へ依頼できるのかを把握しておきましょう。
なお、管理委託契約の種類や委託できる業務、管理会社へ依頼するメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
賃貸管理委託契約とは?種類や委託できる業務内容、メリット・デメリットを解説
管理委託契約書には何が記載されている?
管理委託契約書には、主に以下のような項目が記載されています。
- 管理委託契約書の記載事項
-
●委託する業務の範囲
●管理委託料・別途発生する費用
●修繕・原状回復工事の費用負担
●管理業務の報告
●契約期間・更新
●契約の解除・解約
●その他の契約条件
トラブル回避!管理委託契約書で確認したいこと
管理委託契約後の認識違いを防ぐためには、管理会社に委託する業務や費用負担、契約期間、解約条件などを契約書で明確にしておくことが大切です。
契約後に「依頼できると思っていた業務が含まれていなかった」「別途費用がかかることを知らなかった」といった認識の違いが生じないよう、以下のポイントを確認しておきましょう。
任せたい業務が委託の対象になっているか
管理会社に委託する業務の内容や範囲を確認しましょう。
賃貸物件の管理では、入居者からの問い合わせ対応や家賃の管理、建物・設備の維持管理、退去時の対応など、さまざまな業務があります。
ただし、管理委託契約を結んだからといって、すべての業務を管理会社に任せられるとは限りません。
契約書や別表などを確認し、どの業務が委託の対象となっているのかを把握しておくことが大切です。
また、家賃や敷金などの金銭を管理会社が受け取る場合は、オーナー様への送金方法や送金時期などについて定められていることがあります。
たとえば、設備の修繕について管理会社が手配する場合でも、一定額を超える修繕はオーナー様の承諾が必要になるなど、対応方法が契約で定められていることがあります。
「管理会社に任せられると思っていた」という認識違いを防ぐためにも、具体的にどこまで委託できるのかを確認しておきましょう。
管理委託料以外に発生する費用を把握しているか
管理委託料の金額だけでなく、管理委託料に含まれる業務と、別途費用が発生する業務を確認しましょう。
管理委託料とは別に、修繕費や原状回復工事費、設備の交換費用などが発生する場合があります。
また、管理会社が業務を行うために必要となる費用について、オーナー様が負担することが契約で定められている場合もあります。
契約前に、どのような場合に追加の費用が発生するのか、誰が負担するのかを確認しておくと、管理開始後の予想外の支出を防ぎやすくなります。
修繕・原状回復の費用負担が明確になっているか
修繕や原状回復工事について、誰が手配し、費用を負担するのかを確認しておきましょう。
管理会社が修繕業者の手配まで行う場合でも、修繕費用はオーナー様が負担する契約となっている場合があります。
また、修繕の金額によっては、オーナー様への事前確認や承諾が必要となる場合があります。
どの程度の金額まで管理会社の判断で対応できるのかも確認しておくと安心です。
退去時の原状回復工事についても、管理会社がどこまで対応するのか、費用の精算方法などを確認しておきましょう。
管理会社からの報告内容・頻度を把握しているか
管理会社からどのような報告を、どのくらいの頻度で受けられるのかも確認しておきましょう。
賃貸物件の管理を委託すると、日常的な管理業務を管理会社に任せることになります。
そのため、オーナー様が物件の管理状況を把握するためには、管理会社からの報告が重要です。
報告の方法や頻度、報告される内容などを確認し、管理会社との情報共有について認識を合わせておきましょう。
契約期間や更新条件を把握しているか
契約期間だけでなく、契約を更新する際の条件も確認しましょう。
契約期間が終了した後に自動的に更新されるのか、更新の際に手続きが必要なのかなど、契約書に定められた条件を確認しておくことが大切です。
また、契約期間中に管理会社との契約内容を変更できるのかなどについても、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
解約条件や違約金を把握しているか
管理委託契約を解約する場合の条件も、契約前に確認しておきましょう。
契約期間の途中で解約できるのか、解約を申し出る際に何日前までに通知する必要があるのか、違約金が発生するのかなどを確認します。
将来的に管理会社を変更する可能性も考え、契約を終了する場合の条件まで確認したうえで契約することが大切です。
その他の契約条件を把握しているか
管理業務に伴って発生する費用のほか、緊急時の対応、再委託、免責事項などについて定められている場合があります。
管理会社に委託する業務の範囲や費用だけでなく、こうした契約条件についても確認し、それぞれの役割や責任を把握しておきましょう。
賃貸住宅標準管理委託契約書とは?
「賃貸住宅標準管理委託契約書」とは、国土交通省が賃貸住宅の管理受託契約について、標準的な契約内容を示すために策定した契約書です。
2018年3月に策定され、その後、賃貸住宅管理業法の施行に伴い、現在は「賃貸住宅標準管理受託契約書」という名称になっています。
賃貸住宅の管理を管理会社へ委託する際に、契約書に盛り込む業務内容や管理報酬、契約期間、契約の解除などについて定めています。
| 2018年に策定された名称 |
|---|
| 賃貸住宅標準管理委託契約書 |
| 現在の名称 |
|---|
| 賃貸住宅標準管理受託契約書 |
なお、標準管理受託契約書は、すべての管理委託契約でそのまま使用しなければならないものではありません。
実際の契約では、物件や管理会社によって契約内容が異なる場合があるため、管理委託契約書の内容を確認することが大切です。
「マンション標準管理委託契約書」との違い
「賃貸住宅標準管理受託契約書」と「マンション標準管理委託契約書」の大きな違いは、契約する当事者と管理の対象です。
| 契約する当事者 | 賃貸住宅のオーナー様と賃貸住宅管理業者 |
|---|---|
| 主な対象 | 賃貸住宅の管理 |
| 主な業務 | 入居者対応、家賃管理、建物・設備の維持管理など |
| 契約する当事者 | マンションの管理組合とマンション管理業者 |
|---|---|
| 主な対象 | 分譲マンションの管理 |
| 主な業務 | 共用部分の管理、清掃、点検、管理組合の事務など |
このように、両者は契約する当事者や管理の対象が異なります。
賃貸アパートや賃貸マンションを所有するオーナー様が管理会社へ管理を委託する場合は、「賃貸住宅標準管理受託契約書」が参考になります。
管理委託契約書を締結するときの注意点
管理委託契約書を締結するときは、契約書に記載された内容だけでなく、契約前に説明を受ける内容や、管理会社との役割分担についても確認しておくことが大切です。
1.契約内容を十分に確認してから締結する
2.重要事項説明の内容も確認する
3.管理会社との役割分担を確認する
1.契約内容を十分に確認してから締結する
管理委託契約を締結する前に、契約書の内容を確認し、不明な点があれば管理会社に確認しましょう。
管理委託契約書には、委託する業務の範囲や管理委託料、契約期間、解約条件などが定められています。
契約後の認識違いを防ぐためにも、契約前に内容を十分に理解しておくことが重要です。
また、賃貸住宅管理業者には、管理受託契約を締結する前に、報酬や具体的な管理業務の内容・実施方法などについて重要事項を説明し、書面を交付することが義務付けられています。
2.重要事項説明の内容も確認する
管理受託契約を締結する際は、契約書だけでなく、契約前に交付される重要事項説明書の内容も確認しましょう。
重要事項説明では、管理業務の内容や実施方法、管理報酬など、契約内容を判断するために必要な事項について説明を受けます。
説明を受けた内容と実際の管理委託契約書の内容に違いがないか確認し、疑問点があれば契約を締結する前に管理会社へ確認しておくことが大切です。
3.管理会社との役割分担を確認する
管理会社に委託する業務と、オーナー様ご自身が対応する業務を明確にしておきましょう。
管理委託契約を結んでも、すべての管理業務を管理会社が行うとは限りません。
たとえば、修繕や設備交換などについて、一定の金額を超える場合はオーナー様の承諾が必要となるなど、管理会社とオーナー様の役割が契約で定められている場合があります。
契約前に役割分担を確認しておくことで、管理開始後の対応をスムーズにできます。
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まとめ
管理委託契約書には、委託する業務の範囲や管理委託料、契約期間、解約条件など、管理業務に関するさまざまなルールが記載されています。
契約後の認識違いを防ぐためにも、管理会社に委託できる業務や費用負担、修繕時の対応、契約期間や解約条件などを確認しておきましょう。
また、契約前に交付される重要事項説明書の内容も確認することが大切です。
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